数値は各ファンドの交付運用報告書(楽天・プラス・オールカントリーは第2期/eMAXIS Slimオルカンは第7期)と、楽天証券の公表情報から2026年7月31日に転記したものです。実質コストは過去の実績で、将来の値ではありません。どちらを買うべきという記事ではありません。
結論
私は楽天・プラス・オールカントリーを積み立てています。前回ポイントとコストを数えたときに、そもそも隣のeMAXIS Slimと比べたらどうなのかが気になったので、費用明細を並べました。
- 信託報酬は楽天の方が安い(0.056%と0.058%)
- 実質コストで並べると逆転する(0.118%と0.094%)
- 楽天の投信残高ポイント0.017%を引いても、0.101%と0.094%でeMAXIS Slimの方が安い
ただし差は0.007%です。100万円あたり年70円で、しかも決算期が違う数字を並べています。ここは後で書きます。
信託報酬だけ見ると、楽天の方が安い
比較の対象にしたのは、全世界株式に投資する2本です。どちらも指数はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスで、投資対象はほぼ同じものになります。
信託報酬(実質的な負担・年率税込)は、楽天・プラス・オールカントリーが0.0561%、eMAXIS Slimオルカンが0.05775%。カタログの数字を見比べる限り、楽天の方が安いということになります。私も、そう思って積み立てていました。
実質コストで並べると逆になる
投資信託には、信託報酬のほかに売買委託手数料・有価証券取引税・保管費用・監査費用などがかかります。これらは事前には分からず、決算後に出る交付運用報告書の「1万口当たりの費用明細」で初めて実額が分かります。これを足したものが、いわゆる実質コストです。
| 費目 | 楽天・プラス・オールカントリー | eMAXIS Slimオルカン |
|---|---|---|
| 信託報酬 | 0.056% | 0.058% |
| 売買委託手数料 | 0.015% | 0.003% |
| 有価証券取引税 | 0.028% | 0.013% |
| その他費用 | 0.019% | 0.020% |
| 合計(実質コスト) | 0.118% | 0.094% |
1万口当たりの実額でいうと、楽天・プラスが17円(平均基準価額13,470円)、eMAXIS Slimが24円(平均基準価額25,844円)です。基準価額の水準が違うので、円ではなく比率で比べる必要があります。
差がついたのは信託報酬ではなく、売買委託手数料と有価証券取引税です。この2つで0.027%の開きがあり、信託報酬の差(0.002%)を打ち消しています。
同じ条件で並べた数字ではない
ここは正確に書いておきます。
- 対象期間が違います。楽天・プラスは第2期(2024年7月17日〜2025年7月15日)、eMAXIS Slimは第7期(2024年4月26日〜2025年4月25日)。同じ相場を通した比較ではありません
- ファンドの年齢が違います。楽天・プラス・オールカントリーは2023年10月27日設定、eMAXIS Slimオルカンは2018年10月31日設定です
- 売買委託手数料と有価証券取引税は期中の売買量に応じて増えます。資金が流入している時期は、その分だけ買い付けが発生します
つまりこの0.024%の差が、このまま固定されると考える根拠はありません。次の運用報告書で縮むかもしれないし、広がるかもしれません。分かるのは「直近の実績ではこうだった」までです。
楽天のポイントを引いても、まだ逆転しない
楽天証券には投信残高ポイントがあり、楽天・プラス・オールカントリーには年率0.017%が付きます。これはコストを打ち消す方向に働きます。
一方eMAXIS Slimは、楽天証券で持っても残高ポイントは付きません。このプログラムの対象は楽天・プラスの6本に限られているためです。
| 項目 | 楽天・プラス | eMAXIS Slim |
|---|---|---|
| 実質コスト(運用報告書) | 0.118% | 0.094% |
| 投信残高ポイント(楽天証券) | −0.017% | なし |
| 差引 | 0.101% | 0.094% |
残りは0.007%。100万円あたり年70円です。
なおクレカ積立のポイントは、この比較では差になりません。還元率はファンドの代行手数料が年率0.4%以上か未満かで決まり、2本とも0.4%未満の側なので同じ率が付きます。
私は乗り換えません
私の残高だと、0.007%は年間で300円ほどです。
乗り換えるには、いま持っている分を売る必要があります。特定口座で含み益が出ていれば、売った利益に約20%の税金がかかります。私の場合、その額は年300円の差では何年かかっても埋まりません。
加えて、上に書いたとおりこの差は期によって動きます。動く数字を根拠に、確定する税金を払うのは順序が逆だと考えています。
なので私が決めたのは、次の運用報告書が出たら同じ表を作り直すことだけです。差が広がり続けるなら、そのときは新規の積立先を考える理由になります(保有分を売る理由にはなりません)。
調べて分かったこと
信託報酬は商品パンフレットに載っている数字で、実質コストは決算後にしか分からない数字です。比べるときに前者しか見ていないと、順位が入れ替わることがあります。
一方で、実質コストはファンドの年齢や資金の出入りにも左右されるので、1期分の数字で優劣を決められるものでもありません。
結局のところ、どちらも0.1%前後で、差は0.01%に満たないという結論でした。ここに時間を使うより、積立を止めないことの方が影響が大きいというのが、数えてみた実感です。
「なぜこのファンドにしたか」「何が起きたら見直すか」を記録しておくと、次に比べたくなったときに前回の前提から確認できます。同じ形式のメモは、登録不要のツールで作れます(入力はブラウザ内で完結し、サーバーには送信されません)。