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VYMの配当は4年で13倍になったのに、増配率は年2.5%でした(33回の実額)

配当が増えたのは、銘柄が増配したからではありませんでした。

執筆
NY工房
公開日
2026年8月13日
最終更新日
2026年8月13日

本ブログは運営者個人の投資記録です。特定銘柄の売買推奨・投資助言ではありません。記事中の portfolio-journal は本ブログの運営者が開発・運営しているサービスです。

本記事の金額は、私が楽天証券の配当金・分配金明細から記録した実額です。2022年3月から2026年6月までの VYM の配当、明細33行・18入金日ぶんを集計しました。単位はすべて米ドルで、円に交換していないため円換算はしていません。

結論

VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)から受け取った配当は、2022年の65.85ドルから2025年の878.44ドルへ、13.3倍になりました。

ところが、1株あたりの年間分配金に直すと3.2518ドル → 3.5008ドルで、3年間で+7.7%(年2.49%)しか増えていません。

つまり、増えた分のほぼ全部は私が買い増した株数で、VYM の増配によるものではありませんでした。倍率で分けると株数が12.29倍、1株あたりが1.077倍です。

しかも直近2年の増配率は+0.47% → +0.18%とほぼ止まっています(2026年上期は前年同期比+7.57%)。

この数字を見たうえで、保有は変えません。理由は最後に書きました。

年ごとの実額と、1株あたりに直した数字

入金日の年で区切って合算したものが次の表です。右の2列が1株あたりに直した数字で、ここだけ株数の影響を受けません。

VYMの配当の年ごとの実額と、1株あたり年間分配金の推移(米ドル)
年入金税引前受取1株あたり年間前年比
20224回(5行)73.7465.853.2518—
20234回(8行)160.26141.793.4781+6.96%
20244回(8行)670.95603.853.4945+0.47%
20254回(8行)976.05878.443.5008+0.18%
2026(上期)2回(4行)687.35618.611.8412+7.57%

単位は米ドル。「入金」の回数は入金日の数で、括弧内は明細の行数です(同じ入金日でも口座ごとに行が分かれます)。2026年は上期の2回だけなので、通年の年と金額を比べられません。前年比の+7.57%だけは前年同期(2025年3月・6月の合計1.7117ドル)との比較です。

受取額は毎年増えています。一方で1株あたりは3.25 → 3.48 → 3.49 → 3.50で、2023年に+6.96%動いたあとはほぼ横ばいでした。

増えた分を「株数」と「増配」に分ける

受取額の伸びが株数と増配のどちらから来たのかを出すために、実効平均株数を計算しました。その年の税引前額を、その年の1株あたり年間分配で割った値です。

年末の株数ではなくその年の配当を実際に生んでいた株数を出すための割り算です。年の途中で買い増すと年末より小さくなります(2025年は年末300株に対して278.81株)。

2022年から2025年への伸びを株数と1株あたりに分解した表
項目2022年2025年倍率
受取(税引後)65.85878.4413.34倍
税引前73.74976.0513.24倍
1株あたり年間分配3.25183.50081.077倍
実効平均株数22.68株278.81株12.29倍

12.29倍 × 1.077倍 = 13.24倍で、税引前の実測(73.74 → 976.05ドル)と一致します。分解の定義上そうなる計算ですが、13.24倍のうち12.29倍が自分の入金だったという比率がここで出ます。

受取の倍率(13.34倍)が税引前の倍率(13.24倍)と少しずれるのは、2022〜2023年の明細に約28%引かれる行が混ざっていたためです(後述)。

入金日ごとの全記録(18入金日)

集計の元になった18入金日ぶんです。同じ入金日でも口座ごとに明細の行が分かれるため、行を合算しています(33行 → 18行)。

VYMの配当の入金日ごとの実額(口座を合算・米ドル)
入金日株数税引前受取1株あたり
2022/03/281711.2610.130.6624
2022/06/282319.5017.550.8478
2022/09/272317.6515.880.7674
2022/12/272625.3322.290.9742
2023/03/274330.8427.370.7172
2023/06/274539.4535.050.8767
2023/09/254636.0932.070.7846
2023/12/254953.8847.301.0996
2024/03/22192125.86113.270.6555
2024/06/27192196.55176.901.0237
2024/09/26192163.41147.070.8511
2024/12/26192185.13166.610.9642
2025/03/27265225.25202.720.8500
2025/06/26267230.07207.060.8617
2025/09/25281236.51212.860.8417
2025/12/26300284.22255.800.9474
2026/03/26368317.10285.380.8617
2026/06/25378370.25333.230.9795

単位は米ドル。株数はその入金日に配当を受け取った株数の合計です。1株あたりは 税引前 ÷ 株数 で、私の受取額から逆算した値です。

1株あたりの列は四半期ごとに0.66〜1.10ドルの幅で上下しているのが分かります。12月が最も高い年が4年のうち3年、3月が最も低い年が4年のうち3年で、傾向はあるものの毎年同じ順番ではありません(2024年は6月が最高、2025年は9月が最低)。

つまり四半期ごとの振れ幅(最小0.6555ドル・最大1.0996ドルで1.68倍)の方が、年間の増配(+0.18%)よりはるかに大きい。1回ぶんの明細を見ても増えているのか減っているのか分からず、年単位で足して初めて横ばいだと分かりました。

⚠️ この集計は入金日で年を区切っています。Vanguard が公表する分配金は権利落ち日で並ぶため、年の区切り方が違う可能性があります。ここに書いたのは「私の口座に何年に何ドル入ったか」で、銘柄の公表値の転記ではありません。

2022〜2023年は約28%引かれる行が混ざっていた

明細を口座ごとに見ると、2022年と2023年には3〜6株ぶんの小さな行があり、こちらは税引前から約28%引かれていました。同じ入金日の大きい行は10.0%です。該当する5行の合計では、税引前16.65ドルに対して受取12.03ドルで27.75%でした。

10%は米国で源泉徴収された分だけ、約28%は米国10%に日本の20.315%が重なった分です。詳しくはNISAで受け取ったVYMの配当は「税額0」と表示されるのに、10%引かれていました に書きました。

2024年3月以降は、約28%引かれる行が明細から無くなりました。それ以降の20行はすべて10.0%です。この記事で受取の倍率(13.34倍)が税引前の倍率(13.24倍)を上回っているのは、起点の2022年に28%の行が含まれていたからです。

株数の内訳を見ると、2022年3月に17株で始まった行が2023年9月に43株になり、そこから2026年6月まで動いていません。2024年3月からは別の行が149株で現れ、2026年6月に335株になっています。2025年分では前者が税引前150.53ドル・後者が825.52ドルで、前の記事に書いた旧NISAと成長投資枠の金額と一致します。

この「1株あたり」は、私のサービスの画面には出していません

この記事の主役である1株あたり年間分配の推移は、portfolio-journal の画面には表示していません。配当の画面に出しているのは受取額です(「配当収入の推移」=月別、「全期間の資産別配当」=銘柄別、カレンダーの「その年の配当」)。推移として見えるのは株数の増加を含んだ金額です。

ただし1株あたりの計算自体は内部で使っています。資産一覧の配当利回りは、入金日ごとの1単位あたり分配を出して現在の数量を掛け直す形で計算しています。期中に買い増すと「少ない数量で得た実績 ÷ 現在の保有額」になって利回りが低く出るためです。補正が効いた銘柄にはその旨のバッジを出していて、株式なら「株数調整」、投資信託なら「口数調整」と表示します。

VYM の直近12か月の1株あたりは0.8417〜0.9795ドルで、ばらつきは1.16倍でした。この幅なら補正して構わないと判断しています(株式分割があると1株あたりが何倍も動くため、ばらつきが3倍を超える銘柄では補正をやめて実績のまま出しています)。

つまり、増配率を年ごとに並べる表は自分で作る必要がありました。この記事の表も明細から手で集計したものです。

記録の側で前から決めていたこと

配当を受け取りたくて VYM を持っている、という理由と記録のルールは、以前の記事に書いた通りで変えていません。

  • 配当の実績は「税引前」ではなく受取金額で記録する
  • 利回りを見るときは、税引前の分配金額をそのまま使わない

今回の集計で、これに加えて株数と1株あたりを分けて見ないと「増えている」の意味が分からないことが数字で出ました。

目標までの年数を計算した配当で月5万円まで、あと1,567万円でした では、買い増しを続けた場合は4.4年、増配だけに頼る場合は28.8年という差が出ています。今回のVYM単体の実測(3年で年2.49%)は、この28.8年の側に近い数字でした。

この増配率を見て、保有をどうするか

私が買い始めてからの増配率は、よくありません。3年で年2.49%、直近2年は+0.47%・+0.18%です。買う前のほうが高かったという印象を持っています。

⚠️ ただし、私の記録は2022年3月に買い始めてからのものです。それ以前の増配率は、この記事の数字では確認していません。「その前は高かった」は私の印象で、ここに並べた実額の裏付けはありません。

この増配率を見て、判断を変えたい気持ちはあります。高配当を目的に持っている銘柄で、その目的の伸びが止まっているからです。

ただ、行列で隣の列に移った直後にそちらが遅くなる、というあの感覚と同じことが起きる可能性もあると考えています。売ったあとに増配率が戻ることは十分ありえます。名前のついた法則なのかは知りませんが、要は切り替えのタイミングを当てられる前提で動きたくない、ということです。

結論として、よい銘柄だと考えているので、このまま継続します。増配率が良くないという事実は記録に残しておいて、次に見直すときの材料にします。

これは私の保有についての判断で、同じ判断を他の人に勧めるものではありません。増配率が止まっていること自体は、この記事の数字が示している通りです。

まとめ

  • VYM の受取配当は2022年65.85ドル → 2025年878.44ドルで13.3倍になった
  • 1株あたりの年間分配は3.2518 → 3.5008ドルで、3年間で+7.7%(年2.49%)だけ
  • 倍率で分けると株数が12.29倍・1株あたりが1.077倍で、伸びのほぼ全部が買い増しだった
  • 直近2年の増配率は+0.47%・+0.18%でほぼ止まっていた(2026年上期は前年同期比+7.57%)
  • 2024年3月以降、明細で約28%引かれる行は無くなり、18行すべてが10.0%になった
  • 増配率は良くないが、切り替えのタイミングを当てられる前提で動きたくないので保有は継続する

「配当が増えた」という実感は正しかったのですが、その中身は増配ではなく入金でした。受取額だけを見ていると、銘柄の性質と自分の入金額を混ぜたまま判断することになります。

参考(出典)

  • Vanguard「Vanguard High Dividend Yield ETF (VYM)」

配当の金額・株数・税率はすべて運営者の楽天証券の配当金・分配金明細から集計した実額で、外部サイトの転記ではありません。1株あたりの数字は受取額から逆算したものです。銘柄が公表する分配金額とは年の区切り方(入金日か権利落ち日か)が違う場合があります。過去の分配金は将来の分配金を保証しません。

この記事の集計に使ったのは、楽天証券からダウンロードした配当金明細の CSV(dividendlist_YYYYMMDD.csv)です。同じファイルを年間・月別・銘柄別に集計するツールを、登録なしで使える形で公開しています(ファイルはブラウザ内で処理し、サーバーには送信されません)。

ただし、このツールが集計するのは受取金額で、この記事で見た「1株あたり」までは出しません。1株あたりを出すには、CSV の「数量[株/口]」で税引前額を割る必要があります。この記事の表もその割り算で作っています。

自分で計算した数字は、計算方法ごと記録しておくと翌年に同じことを考え直さずに済みます。記録の型は株の管理ノートの書き方 にまとめています。

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